夜色オオカミ




あたしは必死で背の高い草木を掻き分けて前に進む。



進んでいくうちに声とは別に、《香り》があたしの鼻をくすぐった。



それは進んで行くごとに香りを強くし、土の香りがする山の空気を濃密に変えた。



花…………?



遂に目の前が拓けてくる。



あたしの前に広がるのは山奥深くに広がる広大な野原――――









そして、



その野原一面の










――――白い百合の花畑。











< 259 / 472 >

この作品をシェア

pagetop