夜色オオカミ




大きな狼は毛皮と同じ夕陽色した瞳であたしを見下ろした。



「若様に厳しく言い付けられております。

何があろうとも、姫君を外に出すな…と。」



落ち着いた物腰…あたたかな夕陽色の瞳…に思い当たる人がいる。



尻餅をついたままの状態であたしはごく…と唾を飲み込み、声を絞り出した。



「橙枷…さん…?」



狼は佇むだけで威嚇しているような大きな身体をそっと…まるでひざまづくかのように頭を垂れ、あたしの座り込んだ膝小僧に鼻先をつけた。








< 367 / 472 >

この作品をシェア

pagetop