夜色オオカミ




「姫君……。」



橙枷さんにすがり付くようにして泣いた。



またあたしは無力なままだ。



傷つく十夜に駆け寄ることも出来ない。



外からは絶えず獣の激しい咆哮が聞こえてくる。









心花の為に大切な仲間に牙を剥いた紫月さん…



あたしを守る為に…仲間を守る為に戦う十夜…










すべては愛する者の為に












――――その牙を剥いている。








< 369 / 472 >

この作品をシェア

pagetop