僕、ギャルと付き合います。
そして、その日の夜のこと・・・


学校を終えた由梨は友達と繁華街に出掛けていた。
 

「ごめん、ちょっと先に帰るね」


「ええ~、もう帰るん?」


「うん、今日はちょっと親とご飯食べるから」 


「そうなん? じゃあ仕方ないなぁ・・・」


由梨はみんなと別れて先に帰ろうとしていた。


もちろん、親とご飯なんて嘘、帰っても家には誰もいない。
親は共働きで、帰って来るのは由梨が寝静まったころだ。
しかし、今はそれは関係ない。

由梨はただ、大和とメールのやり取りをしたかった。

少しでも早く帰って、大和が起きているうちにメールがしたかったんだ。


「由梨」


足早に帰ろうとする由梨を黒ギャルが引き止めた。


「なに? 明美」


「おっさんとメールするために帰るんやろ?」


由梨の考えは、黒ギャルにはすべてお見通しだった。


「あんな男、やめた方がええんちゃう?
街であっても無視する奴やで?  
あんなんと関わってたら、いつか由梨が傷つくで?」


「明美・・・」


街での一件以来、黒ギャルは大和をよく思っていなかった。

確かに自分たちのことを、
体を張って助けてくれた。けど、
やはり社会人と高校生。


この壁は大きいのだと黒ギャルは感じていたんだ。




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