近くて遠い君へ
最初で最後のデート


―――



「寒くない?」


「うん、平気。」


「ミナちゃん、

あのさ…」


「何?」


「…

手、繋いでい?」


「…」


少しだけ前を歩いていた俺は黙って掌を広げてみる。





あれ?


やっぱりダメ、か。


諦めかけたその時――


ミナちゃんの掌が、


俺の掌に触れる
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