いつまでも君を見ている
急いで花壇に隠れるようにしゃがむ。

……あっぶなー。

まじギリギリだったわ。

てか、岡本さん、泣いてた……?

「……あれ?篠田?」

私は声が聞こえて唖然とした。

男子生徒がこちらに来ているなんて気づかなかったから。

恐る恐る声がしたほうを振り向く。

ゆっくり体を男子生徒に向けて顔を見ると、驚いたことに男子生徒は伊勢谷だった。

「い、せや……あ、あの……ごめん!!立ち聞きするつもりじゃ……」

私は精一杯謝る。

私は、“立ち聞きするとか悪趣味だなぁ”とか、叱られると思っていた。

そしたら、伊勢谷の言葉は意外なものだった。

「あ、いや、俺は別にいいけど……この事は、内緒に…」
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