難しい恋は遠慮させてください
次の日私は、重い重い自転車のペダルをこいで学校に行った。

いつもどおり一番のり。

私は一番後ろの自分の席にバックをおいて、窓際の一番前の席を見つめた。

時計を横目でちらりと見る。

7時40分

深川がいつもくるのは50分か8時5分の間。

まだ誰もこない。

私は一人教室の中で、窓際の一番前の席に私は近寄る。

床をギギギと音をたててイスは後ろへと動く。

すとんと私は席に着く。

暖かい春の陽が右側の窓から私に降りそそぐ。

頭を机の上にのせて私の席を見つめる。

深川はいつもここから私をどんな気持ちで見てたんだろう?

今私の席にあるのは私のバックだけ。

傾きかけて落ちそうで落ちないバックを見つめていると、日に焼けて毛先にむけ徐々に茶色くなったくせのある髪の毛が顔に掛かった。

髪を耳に掛けて私は窓の外を見る。

深川はこの窓から何を見ていたんだろう?

深川の席を見下ろすとどうしようもなく切ない気持ちになった。

深川の机に指で『好き』と書いた。



しばらくしてハートを付け足した…

ドスンッッ

びくっとして振り替えると私のバックが落ちていた。

私がバックを机に戻すと教室のドアが開いた。
< 44 / 91 >

この作品をシェア

pagetop