楽園の炎
赤くなって、朱夏は夕星の胸に頬をつけた。
言ってみたものの、実は朱夏自身、‘身体の関係’というものがどういうものか、よくわかっていない。
初夜に具体的に何をするのか、よく知らないのだ。

「お前な・・・・・・。そうは言っても、俺も男だぜ。そうそう我慢もできないんだから、あんまり可愛く引っ付くな」

ぽんぽんと軽く朱夏の背中を叩く夕星だが、やはり朱夏にはわからない。
疑問符の浮く顔で、夕星を見上げる。
そんな朱夏に、夕星はちょっと困ったように笑った。

「う~ん、とりあえず朱夏は、侍女殿辺りに男女の仲について、詳しく聞いておくことだな。これでいきなり初夜を迎えたら、何となく俺の身が危ない」

「?? な、何で? あたしだって、知ってるよ! あたしの身体に、ユウを迎えるんでしょ」

かなり際どいことを言っているのだが、言っている本人は‘迎える’ということが具体的にどういうことをするのか、わかっていないから言えているのだ。

「ほおぉ。わかってるのか。じゃ、大丈夫かな」

ちょっと意地悪そうに、にやりと笑うと、夕星は、ひょい、と朱夏を抱き上げると、自分の膝の上に乗せた。
そして、朱夏を横抱きにしたまま、押し倒すように深く口付ける。
夕星の膝の上で、朱夏は驚きながらも転がり落ちないように、夕星にしがみついた。

「んん・・・・・・」

長い口付けに、朱夏はやはり声を上げてしまう。
それでも今度は、夕星は唇を離さない。

気が遠くなりながらも、夕星にしがみついていた朱夏は、次の瞬間、びくんと身体を強張らせた。
夕星の手が、朱夏の裾を少しめくって、内股を撫でたのだ。
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