楽園の炎
ようやく一人になり、朱夏は寝台の上に寝転んだ。
思い切り伸びをし、月光浴を楽しむように、月明かりを眺める。
寝ようかな、と、点いていた小さな灯を消そうとした朱夏は、ふと伸ばした手を止めた。
目を扉にやる。
しばらくすると、静かに扉が動いた。
朱夏は扉をじっと見つめたまま、動かなかった。
やがて、扉の隙間から、一人の人物が滑り込んでくる。
慣れたように、足元の紐も、難なくまたぐ。
「葵?!」
部屋に入ってきたのは、葵だった。
入り口の罠を知っているのは、アルと桂枝の他は、葵しかいない。
「どうしたの? 部屋に来るなんて」
扉の前に立つ葵に駆け寄ろうとした朱夏は、見たことのない葵の表情に、思わず足を止めた。
いつものように、柔和な笑みを浮かべるでもなく、葵は思い詰めたような顔で、朱夏を見つめている。
「・・・・・・葵?」
不安になって、朱夏は、知らず身を固くした。
「朱夏・・・・・・」
葵は自ら朱夏に歩み寄り、彼女の手を取る。
手を握ったまま、ぽつりと呟いた。
「ナスル姫は、僕とのお見合いのために、来たんだって」
思い切り伸びをし、月光浴を楽しむように、月明かりを眺める。
寝ようかな、と、点いていた小さな灯を消そうとした朱夏は、ふと伸ばした手を止めた。
目を扉にやる。
しばらくすると、静かに扉が動いた。
朱夏は扉をじっと見つめたまま、動かなかった。
やがて、扉の隙間から、一人の人物が滑り込んでくる。
慣れたように、足元の紐も、難なくまたぐ。
「葵?!」
部屋に入ってきたのは、葵だった。
入り口の罠を知っているのは、アルと桂枝の他は、葵しかいない。
「どうしたの? 部屋に来るなんて」
扉の前に立つ葵に駆け寄ろうとした朱夏は、見たことのない葵の表情に、思わず足を止めた。
いつものように、柔和な笑みを浮かべるでもなく、葵は思い詰めたような顔で、朱夏を見つめている。
「・・・・・・葵?」
不安になって、朱夏は、知らず身を固くした。
「朱夏・・・・・・」
葵は自ら朱夏に歩み寄り、彼女の手を取る。
手を握ったまま、ぽつりと呟いた。
「ナスル姫は、僕とのお見合いのために、来たんだって」