恋するキャンディ3私だけの甘々不良彼氏
抵抗もむなしく、

当麻くんは、私を抱えたまま非常口の中へと入っていく。

金属製の重い扉が閉まる冷たい音が、辺りに響きわたった。

「ほらな、ふたりっきり」

当麻くんはすっごく嬉しそうな笑みを見せて、私をその場におろした。

もう、そんなかわいい顔したって、許してあげないんだから。




「おい、マジで怒ってんの?

行きのバス、まさか中園に見つかるとは……」

「それじゃない!」

全然わかってなくて、呆れちゃうよ。

「は? ハッキリ言えって。勝手にプリプリされてもわかんねーっての」

「だから……」

神原さんのコト、聞きたいのに聞けない。

とりあえず、班行動の時どうしてたか聞いてみようか。




「今日どこ行ってたの?

首里城で会えるって思ってたのに……」

「んあ? あぁ、みんなで国際通り行こうっつ~話んなってな?

楽しかったぜ!」

いや……。

楽しかったぜ、じゃないから。


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