モテ彼×ブキヨウ彼女
…やっぱり、大人気なんだ。
大勢の女の子たちの間に割って入るわけにもいかず、なかなか声を掛けられない。
すると…辺りをキョロキョロ見ていた神崎君と、目が合った。
「あ…櫻井さん!!」
軽く右手を挙げて、
女の子たちを掻き分けて、あたしの方へ近づいてくる。
その爽やかな笑顔を見て、
あたしの心臓が一気に騒がしくなる。
…ズルいなぁ。
あの衝撃的な告白から、まだ少ししか経ってないのに、
もうあたしの心の中のど真ん中にいる。
神崎君…ズルいよ…。
そんなことを考えていたら、いつの間にか目の前に神崎君が立っていた。
「あ…えっと…
おはよう…じゃなくて、こんにちは?」
周りからの、キツい視線を感じながらも、
ぎこちない挨拶をして、神崎君を見上げる。
初めて見る私服姿がカッコ良くて、
思わず、あたしの顔が赤くなった。
………ん?
私服…??