ちっぽけな幸せを君に
 和成の言葉に俺は立ち上がり走り出した。


 「悪い和成!」


 「阿保が……謝られたら余計に惨めやろ――」


 店を出た俺は辺りを見回し、流歌の姿を捜す。


 「流歌!!」


 十メートル程先のビルの隙間に入って行く流歌を俺は追い掛ける。


 「流歌!!」


 隙間を進んで行くと、行き止まりの壁にこちら側に背を向けて流歌はもたれていた。


 「流歌……」


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