ちっぽけな幸せを君に
 「無理だよ……私は長くは生きられない――」


 「そんなの関係ない!」


 「無理なのよ!」


 叫びながら俺の横を走り抜け様とする流歌の腕を掴み、俺は流歌を抱きしめた。


 「無理じゃない……」


 「ダメ……だよ」


 抱きしめた体が小刻みに震える。俺はさらに強く抱きしめて言った。


 「人間生きてりゃいろいろある、もしかしたら俺の方が先に死ぬかもしれない――」


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