独身マン
「いらっしゃいませ」



やっと自分の番がやってきた。 正義は財布をあけた。



(え?! ない!)



肝心な中身がない。 そういえば昨日、革財布の上に水をこぼしてしまったのだった。



(お金だけ他のビニール袋の中に入れたままだっけ?)



正義は店員を見ると、思わず苦笑い。



「あ、この辺りにATMあります?」


「あ~・・・。 ないですね。 コンビニまで行かないと・・・」


「じゃあコレ、ちょっととっておいてください」


「はい」



運良くキャッシュカードは別に持っていた。 正義はスグに店を出て、車に向かう。(実話)



(今日は日曜日で210円かかるけど、ま、仕方ないな・・・。 金曜日におろしたばかりなのに)



車に乗り込む前に、正義はコンビニがどの辺りにあったのか、ぱっと道路を見た。 すると道路を挟んだ目の前に他の銀行があるじゃないか。



(おっと! あんなにも近くにあるじゃん!)



正義はラッキーと思い、横断歩道に向かって走った。 しかしわたる前に赤信号になってしまった。



(あ! クソが! ココの信号長いんだよな~・・・)



青になるのをじっとまった。
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