独身マン
「・・・」



家につくなり、正義は自分の部屋に直行してベッドの上に寝転んだ。 明日は休みだ。 だからなのか、なんだかとってもやる気がでない。



(ま~、義理チョコくらいなら会社でもらえるだろうけど、今年も本命はもらえないかなぁ・・・)



正義の心臓はバクバク動いている。 心臓に手を当てると、そのときふと春海の顔が浮かんだ。



(・・・。 電話してみようかな)



だが以前さえに言われたことを思い出した。 “焦りすぎ”というセリフだ。



(でもな・・・。 確かにな)



正義は携帯電話を掴みかけたが指先がふれただけ。



(諦めが肝心っていうし、そろそろ他の職につくか・・・? そしたら他の出会いがあるかも・・・いや!)



正義は勢い欲起き上がると、携帯電話を手に掴んだ。



(そんなはずはない! 諦めたら、本当に終わってしまうんだぞ?)



自分ががんばらなくっちゃ。 でも保証なんて無い。 けどチャンスなんだ。 その思いを胸に刻み、春海に電話をかけてみた。
< 218 / 258 >

この作品をシェア

pagetop