獅子の生きる道
よく見ると、フードの中身は皮も肉もない骨のようだ。

「死神か」

俺がいた世界の人間がイメージする死神と瓜二つだ。

「我は死を操る王、ジョヴァンニという」

ジョヴァンニは能力の具合まで一緒だという。

「我の僕を蹂躙した人間が、何の用だ?」

「部下の教育が出来ねえアホな上司の面を見に来たんだよ」

レベルがあがったものの、邪魔な部下を蹴散らすという面倒な事をやらされた。

「人間」

「ああ?」

「それで挑発しているつもりか?」

ジョヴァンニの億劫さは相変わらずだ。

眼窩の奥には赤い光がともっている。

「お前の面は拝んだ。俺は帰るさ」

背中を向けたとたんに体に異変が起きる。

今までなかった痛みが、全身に回り始めた。

「人間」

振り返った瞬間、鎌が回転しながらこちらに飛んできている。

魔剣でなぎ払うと、鎌はジョヴァンニの手の内へと戻る。

「お前の命は残り三十秒だ」

「三十秒も用意したのか」

剣を持ち直し、構える。

「お前の敗因は一つ」

「まだ勝負はついていないというのに、愚者そのもの」

ジョヴァンニの台詞は耳には届かない。

「余分な秒数なんて設定して、さっさとトドメを刺さなかったことだ」

俺は一気に、走り出した。

鎌が再び宙を舞い、襲いかかる。

近づかせないためのものだろうが、関係ない。
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