年上旦那様
「あ、どうぞ入ってください。私の友達も来てるので…」
「お邪魔しまーす。」
何度か来たことがあるのか、
夏山さんは私達を追い越し、
ずんずんと奥に進んで行った。
なんか、すご……。
そんなことを思っていると、
漣に肩をトントンと叩かれた。
??
「急に連れて来て、ごめんな?」
申し訳なさそうに眉毛を下げて言う漣。
そんなことか。
「ううん、いいよ。漣のお友達に会えて嬉しい。」
「嬉しい?」
「うん。漣のお友達とか、上司の方とか、どんな仕事をしたとか。私、漣のこともっともっと知りたいんだもん。」
私は思っていることをはっきりと漣に伝えた。
すると、なぜか固まる漣。
ど、どした?
「ゆゆ…もう、俺ムリ。」
なな、何が?!
そう思ったのも束の間。
漣が私の体をすっぽりと自分の胸に収めた。
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