俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
そして、そんな玲を細く小さな体で受けとめるエマちん。
「だって、私なんかあんまり出会いないんだもん……。」
やっぱあくまでそこなんだ、エマちん……。
確かにオジサンとの出会いってそうはないわなぁ…。
最初は苦笑いだったあたしも、ある意味同じ想いを共有して抱き合ってる2人を見たら思わず笑みがこぼれた。
――その刹那だった!
あれが見えて、あたしは固まった。
目の前に見える正門の先に、
学校の前を横切る道路に。
あたしは見逃さなかった、
あの車が走っていくのを。
あの黒いワゴン車を――。