未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
ゆっくりと深いため息をついたその時。
「時田?」
振り向くと、テーブルの上で重ねた腕に顎を乗せこっちを見上げてる辻之内。
そのままの姿勢で、書けない?って小首を傾げた。
目の前のレポート用紙には “2年6組 時田 湊” のみ。
だって、何から書きだせばいいかわかんないんだもん。やっぱり文章書くのって苦手。
それにしても、その上目遣いにそのポーズ、そんなに見られてるとますます書けなくなる。
吉井とリカはうるさいし、集中なんてできっこないよ………。