未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

カシャッ!


携帯が奏でる大袈裟なシャッター音にヒヤヒヤしちゃう。

それでもエンジェル君は、爆睡中………。

あっ、ところで今って何時かな。

カメラモードを閉じて時間を確認したあたし。


「え、うそっ」


いつの間にこんな時間になってたの。

辻之内はまだ寝てるけど、そろそろ帰んなきゃ。
でも、このまま起こさないで帰る………わけにもいかないよね。

そうやってぶつぶつと心の中で呟いていた、その時。


「ひゃっ!!」


いきなり手首を掴まれたもんだから、心臓が口から飛び出そうになっちゃった。


「あ、起きた?」


話しかけたのに、なんにも言わずヌボーっとしてるエンジェル君。


「辻之内?」

「………」


聞こえてないの? 寝ぼけてるとか?


「おーい」


掴まれている腕を宙に浮かせて揺さぶってみる。
だけど、まだ反応のない辻之内。

とはいえ、掴む力はそれなりに強くて振りほどけそうにもない。

うーん、どうしよ………。

と、視線をずらし頭を抱えた次の瞬間―――



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