未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
Chapter5
*気になる?
それは、明後日から始まる夏休みを控えた昼休みのことだった。
「もうっ、夏休みの課題多すぎぃ!」
あたしの机に頬杖をついたリカが不満を漏らした。
「そんなの、大好きなインテリ君と仲良くやればいいんじゃね? アタシと一緒に宿題やんな~い?って誘っちゃえよ。絶好のチャンスだろ」
横から口を出したのは、毎度おなじみの吉井だ。
ひとつ前の席を拝借してるリカと、左隣の席にはダルそうに足を投げ出してる吉井がいて、近頃では休み時間にこうやっておしゃべりするのが定番になっている。
そして、右隣にいた人物もさっきまではそこに座って一緒に笑ってたんだけど。昼食が終わったら、いつものように姿をくらました。
「誘っちゃえよ、なんて簡単に言わないでよ? 吉井みたいに、女子なら誰でも誘えるような奴にはわかんないだろうけど。誰もがそんな軽々しいマネができるわけじゃないんだから。それとインテリ君って言うの、いい加減やめてよね!」
キッと横目で吉井を睨みつけるリカ。
なんの話かと思えば、さっきの続きか……。