未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

「好きなら言えるだろ」


あたしとリカの間に割り込んできた吉井。


「湊ちゃん、夏休み入ったら俺んちで一緒に宿題やんなーい?
な、こんな具合にさ」


わざと姿勢を低くして見上げてくる。


「………っ」


だから、その上目遣いがエロさ全開なのっ!


「ちょっとぉーっ、邪っ魔!!」


その頭をリカが力いっぱい押し返し。


「そうやってこじつけて湊にからむんだからー。あんたなんて相手がいすぎて夏休みは暇なしでしょ?」


と、とっても皮肉な言い方をした。


「あれ、なんか今のって、言葉ん中にすんげぇー鋭いトゲ混ざってなかった?」

「中じゃなくて表面に飛び出てるけどねっ」

「なんだよー。俺って、いつからそんなナンパなイメージなわけ?」


………いつからって、元からでしょ?


「俺さ、決めたんだよね。色んな女のコの間をジプシーっちゃうのはもう止めて、そろそろ落ち着こうかって」

「うわー、説得力なーい!」


リカの反応にあたしも頷く。

それに、ジプシーっちゃうって何? 新語?

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