未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
でも、さすがに申し訳ないでしょ。
「心理学の研究発表をしなきゃいけないんでしょ? 良かったら手伝うよ。乗りかかった船だし」
「で、でも明日から夏休みだよ?」
「うん。そうだね」
そうだね、じゃなくて。
「だって夏休み中に、そんな悪いからいいよっ」
「そんなことないよ」
そんなことなくないでしょ……って思うのに辻之内は平然と
「だからさ、時田?」
「なに?」
「休みに入っても連絡とれるように教えてよ。時田の番号とアドレス」
と言いながら制服のポケットから携帯を取り出し、とびっきりの王子様スマイルをあたしに向けた。