未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
キジモンのとんでもない重大発表に、ガックリと肩を落として職員室を出たあたし。
「時田?」
辻之内に呼ばれ振り向いたその時のあたしは、半泣きくらいの顔をしてたかもしれない。
「どうしよう、どうしよう……。
クラス代表なんて研究発表なんて……そんなのあたし……」
別に、辻之内にすがろうなんて思ったわけじゃない。
あたしはもともと、男の子に甘えるなんて小技が使えるタチじゃないし。
むしろ、そういうスキルを身に付けてる女子がうらやましい方だし。
だから、そんなつもりで『どうしよう』なんて言ったんじゃないんだけど……。
「手伝おっか?」
「え?」
それはあの日、保健室で交わした会話と同じだった。