未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
時々輪の隙間から、たじろぎ顔の辻之内が見えるけど。


いつもなら昼休みは、旧校舎で昼寝してたくせに。


なんで囲まれたままでいるんだろ?

なにをタジタジしたままになってんだか……。



「はぁーっ」

「ふぅーっ」


リカとあたしの口から、同時にため息が漏れた。



「リカ、不機嫌だね?」


尋ねると、「だって…」と一言呟いたリカが不満そうに続ける。


「だって、あのコ……」


「…今井さんのこと?」


コクッて頷いて、吐き捨てるように言った。


「中学のとき、ナカジーのこと3回もフッたみたいなんだよね」
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