未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

*夏のマボロシ



「この騒ぎ、まるで1年の頃に戻ったみたいだよね」


女子達が群がっている“その席”を、シラケ顔で眺めながら言ったリカ。



確かに休み時間になるたびに、教室の入り口にはちょっとした人だかりができてたし。


今だって昼休みもあと10分で終わりだっていうのに、他のクラスのコ達まで混ざって辻之内を囲んでる。



そしてそれぞれが


「朝の車はなに?」

「あれって王子のカノジョ!?」

「カノジョっていくつ?」

「送ってもらったってことは、もしかして朝帰りー?」


いろんな質問をぶつけてて。


さらに


「えっー ショックー!!」

「マジでーー!?」

「みんなの王子が誰かひとりの物なんてー!」


って、そんな言葉が飛び交っている。

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