未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
朝からこんな気分に浸りたくはないんだけど。

でも自分でもどうしようもできなくて。



「はぁ…」



また、ため息。

どうしたらいいんだろう。



こんなことになるんなら、好きになんてなりたくなかった。


特別授業のレポートだって、ちゃんと早くに提出しておけばよかったんだ。


『すぐ赤くなる』って、あたしのことからかって。

頬に触れたり、保健室から連れだされたことも。


夏休みに電車に乗って出かけて、

『一緒に何処かへ来たかった』って言われたことも。


背中にしがみついた自転車の二人乗り。

遊園地の観覧車。


旧校舎の教室でのキス。


全部なかったら ――



ねぇ 辻之内、どうしてあたしのことかまったりしたの?


どうして優しくなんてしたの?


どうしてキスなんてしたの?


こんな気持ちになってるなんて、知らないでしょ?


無責任すぎる。

ひどいよ。


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