未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
「キス、されたの…」
昼休み。
他に誰もいない空き教室で、あたし達は向かいあって椅子に座っていた。
「ナカジーに?」
尋ねると、ほっぺたを真っ赤に染めたリカがコクッと頷いて目を伏せた。
「昨日、湊たちが帰ったあと、二人っきりになったでしょ?」
「カラオケルームで?」
「……とエレベーターの中と、それから帰りに寄ったファミレスのトイレでも」
ってそんなに? って思ったけど。
ますます顔を赤くしてるリカがいて。
「湊、あたし…どうしよう?」
「え?」
「今日、部活でどんな顔してナカジーと会えばいいのか……」
とモジモジする。