未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

*悶々ナイト



その日の夜。

夕食を終えて自室に入ったあたしは、倒れ込むようにベッドに転がった。

結局あの後 ── というのは、つまり学校を出たあと……いや。もうちょっとだけ遡って、職員室を出てキジモンに会ってレポートのことを言われて、仕方なく「はい」って返事をした後。

あたしは競歩の如き早歩きをし、たどり着いた玄関の靴箱からローファーをもぎ取るように出して、そして逃げるように外へ飛び出し走って校門を出たんだ。

一度も振り返ることもしなかった。別に走ることもなかったんだけど。

でも、あれ以上辻之内と一緒にいるとドキドキが………じゃなかったキョドキョドが止まらなそうで。

だから、一緒に残ってたのに辻之内にバイバイも言わないで帰ってきちゃったんだ。

ほんのちょっと後悔………ううん、かなり後悔かも。

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