未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

*ちょいS




「36度6分ね。熱はないみたいだけど、一時間目が終わるまで休んでいったら?」


保健の先生がそう言って、ピッと体温計をOFFにした。


「………」


一体全体、何やってんだ? あたし。

多分さっきも相当赤い顔してたんだろうなぁ。

『大丈夫じゃないかも』思わず口走ってしまったその一言のために、こんなことになっちゃって。


あの後。

まずリカが『保健室行こう!』って言いだして、それならって吉井に強制的に連れてこられてしまった。

ぽーっとして否定もできないまま。それで今、ベッドの上にいるんだ。

風邪もひいてないし貧血起こしたわけでもないのに、これじゃ仮病だよ。

それでも、平熱は35度5分くらいの低体温のあたしが1度越えっていうのは、まったく熱が無いわけでもないのか。

この微熱って言っていいか不明なくらいビミョ~なお熱って、やっぱりあいつのせいなのかな?

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