未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
なんだかすでに意気消沈。
「……それでキジモンからの伝言って?」
「『特別授業のレポートは今週中に提出するように!』だって」
えー今週中?
昨日言われたことなのに、すっかり忘れてたよ。さらに意気消沈………。
うちの学校には春と秋の年に二回、特別授業ってものがあって。
英会話スクールの外国人教師とか何処かの大学の先生だとか、校外から講師を連れてきて授業が行われるんだけど。今年の科目が ”心理学” だったんだ。
心理学といっても現役の高校生であるあたし達が相手だから、そんな難しい内容ではなかったみたいだけど。
問題なのは、授業の後に書いて出さなきゃいけないレポートで、テストに出ることもないからノートなんてとっちゃいないし。
「はぁー」
深い溜め息をついたら、そんなあたしを見て辻之内がクスッと笑い声を漏らした。
「……なによ?」
「だって時田、レポートひとつで急にそんな暗い顔になっちゃってるから」
“レポートひとつ” なんて軽々しく言わないでよ。あたしにとっては大問題なんだから。