未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
体を硬直しながら足を踏み入れた場所は、辻之内のイメージにピッタリな空間だった。
白を基調とした内装、壁にかけられた絵やキャビネットの上の小物や花も、派手すぎず上品な雰囲気が辻之内っぽい。
「こっちへ来て」
瞳だけキョロキョロさせながら黙って後ろへ続く。そして立ち止まった場所は、一枚の扉の前。
カチャリと音を立て開かれたその先にあったのは、階下へ続く階段。
少し狭いそこを降りてその先のドアを開けると──
「ちょっと待ってて」
真っ暗な部屋に明かりが灯った。
「え。ここって……」