男子校ですがなにか?
「「おっさきー!」」
「うおっ!?」
俺達の目の前の階段を双子が凄い速さで通り過ぎる
バタバタと音を立てながら仲良く手を繋いで下りていく
「仲良いよなぁ。オレも弟と妹いるけどあそこまで仲良くねぇよ」
「本当にな」
「双子だから尚更なのか?」
「いや、双子でも仲良いやつと悪いやついるだろ」
「そっかー」
並んで階段を下りながらたわいもない話をする
本当にここはあったかいな
「あ、レイとコウタ来た」
「おー」
「悪かったな遅くなって」
「いや、元々はお母さんのせいで…」
「あら来たわね!さあ撮りましょ撮りましょ」
「お母さん!」
ほんと…あったけぇな…
「レイ…?顔色悪いけど、どうかした?」
「ん?あ、気のせいだろ」
「そう…?」
「ああ、気のせいだ」
熱出したのも昨日の今日だしな
心配してくるのも仕方ないか
「まず全員並んで撮りましょ」
「まずって何、まずって」
「涼が真ん中ね」
「え、嘘」
「いいじゃないいいじゃない」
「いやいやいや、真ん中になりたい人いない?」
「リョウでいんじゃね?」
「リョウでいいよ」
「「僕らは隣同士だから!」」
「じゃあ決定ね」
「えー…」
渋々真ん中に立つリョウ
ドンと背中を押され、前のめりになる
「な…、何すんだよコウタ」
「仲直りの印。隣でうつっとけ」
「はぁ!?」
「いーからいーから、うつっとけ」
ここの奴はお節介ばっかだな
「はーい、撮るよー!」
「ほらほら」
「コ、ウ、タ!」
「えー何々ー?どうしたのー?」
「レイがリョウの隣嫌なんだってー」
「んなこと言ってねぇ」
「もー、動かないでよ!撮れないじゃない」
「おれの隣嫌ならコウタでいいから!」
「いや、やっぱりオレじゃなくてレイだろ」
「「はーやーくー」」
「あーもう!撮るわよ!」
「「え!?」」
多分俺の顔はマヌケ面で
双子だけは準備万端でピース
コウタは俺とリョウを見て笑ってる
リョウは満面の笑みだろう
そんな俺達を優しそうに見てた理事長とおばさん
カイトは…
カイトもいればよかったのに
喧嘩してても
こういう風に写真を撮ることなんて滅多にねぇし
一応、仲間みたいなもんだし