恐るべし隣の山田メガネ君

『野々山美鈴、オマエに惚れた。付き合おう。』


え゛っ……!?!?

リアル美男子顔丸出しで何言ってやがんだ山田っ!?


明らかに血迷ったとしか思えない山田メガネだったけど…

私に向ける瞳は真剣そのものだった。


山田メガネよ…、その顔面でそのセリフはズルいだろう。


美男子丸出しの顔で真剣に見つめられたら、瞬時に断る理由が見つからない。


だけど、山田を好きか?と聞かれたら正直良く分からない。


とりあえず何て答えようか…。


別に顔で付き合う訳じゃないんだけどさ。


だけど、コイツの顔は見れば見るほど…


「萌え…。」


ヤバイ、思わず声に出てしまった。


『ソレは腐女子用語で"Yes"って事か?』


腐女子用語じゃねぇし!


しかし…、本当に良く見れば見るほど美男子な山田。

だけど、メガネを掛けると途端に没美男子の山田。

まぁ、そんなトコがギャップ萌えなワケなんだけど。


だったら、もぉいいか…


山田メガネになら今更私の本性を隠す必要もない、遠慮無く思いっきり腐女子出来る。


コイツと仲良くやって行けるかは分からないけれど、ホラ、親友を表す表現で"コイツとはケツの穴まで見せ合った仲だ"とかって言うじゃない?(言うのか?)


だからケツの穴話しで盛り上がれた私達は、案外上手く行くのかもしれない。


「じゃ…じゃあYesで。」


思わず勢いでOKしてしまった腐女子な私。


こんな告白マジありえないと思うけど、腐女子と隠れ黒縁メガネ美男子の山田とならありえるのかもしんない。

現に、目の前の山田の嬉しそうな笑顔に萌え死にしそうになっている私。

< 35 / 57 >

この作品をシェア

pagetop