恐るべし隣の山田メガネ君

『じゃあ美鈴、これからもよろしくな。』


いきなり呼び捨てなのが気になるが、まぁ許してやろう。


「うん、これからもよろしくね山田メガネ。」


『呼び方は変えねぇのかよ。』


だって、腐女子の信条は早々には変えられません。

よし、山田はメガネ男子萌えの部類に入れておいてやろう。


「こっち呼び方のがしっくり来るもん。」


それに学校でメガネを外されちゃ大変な事になるわ。

美男子山田がバレたらアタシャ袋だたきだよ。


『まぁ好きに呼べよ。彼女の特権だ、それくらい許してやる。』


山田メガネよ、もうそれ以上萌えそうになる台詞を言うのは止めてくれ。


本気で鼻血が出せるかもしれない…。


「じゃあ彼氏の特権で、私のお宝BL同人誌読んでいいよ。」


トクベツだぞっ!


『…嬉しかねぇよ。』


困ったように笑う山田メガネを見て、

きっと、山田メガネと私はこれで良いのだろうと思った。


たまにはこんなマンガみたいな珍カップルが居てもいいだろう。

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