声の届く場所。
「有難う」         

           ・・・だった。

「いえいえ。 山田君、字綺麗だねー」


本当、達筆。 そう付け加えると、ふいっと


向こうを向かれてしまった。 ・・あー。


会話、成り立ちそうだったのにな・・。 


うん、やっぱり、ちょっと、


馴れ馴れしかった・・・かな?  


と考えていると、先生が



声を張り上げた。


「ペア出来たなー。 じゃあまず男子から
走るから女子! ストップウォッチ取りに
来い!」





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