BEST FRIEND
ハルは夏海に少し意地悪してみた。
「そんな訳ないでしょ。そりゃあ夏海はモテるからいいけどさー。私を好きになってくれる人なんて少ないよ」
「ハルを好きな人はいる」
「誰か紹介してくれるの?」
「ここにいる」
「……」
真っ直ぐな瞳。迷いのない言葉。
「ハルが好きだ。私と付き合って下さい!」
バッと頭を下げる夏海。だがハルは冷静に返す。
「…振ったくせに」
すると夏海は真っ赤にした顔を上げる。
「い、いや、だから、それは…。やっと、恵の死を認めたんだ。夏休みに、恵との思い出の場所を巡ったって言ったろ?」
ハルが頷くと夏海は続ける。
「その時中学の先生に会ったんだ。それで、私が恵にしてやれる事は何か聞いたら、先生は恵の分まで幸せになれって言った…。私が幸せだと、恵もきっと安心だからって。私は先生の言葉を信じる事にして、私が幸せを感じれるのはハルだけなんだ」
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