Long Road
「SOAK、また、腕をあげたね。」
「それは褒め言葉んでしょうか。」
「もちろん。こないだのコンクールも申し分ないできだったよ。」
わたしは、ちょっと肩をすくめた。
「でも、足りないんでしょう?」
「よくわかっているじゃあないか。
どんなに審査員の耳はごまかせても、」
私には通用しないからね。
でも、チャイコフスキーコンクールで、5年連続優勝というのは、
もっと誇りに思ったほうがいい。」
一年半ぶりに会う教授の言葉は、最後に言われたことと、全く変わっていなかった。
そして、それが何なのか、よくわかっていた。
久しぶりの再会と演奏に、
わたしの心はだいぶ弱ってしまっていたに違いない。