桜雪
生まれてきて16年。

私は両親に1度も

誕生日を祝ってもらったことがない。

母の温もりも父の寛大さも


両親の愛を知らずにそだった可哀想な子。


周りから見ればそぉ見えるかもしれないけど


別に私は可哀想だなんて思ったことは


1度もない。

今更母に抱きしめられても父の偉大さを知っても


どう態度をとっていいかわからない。


今の私に人の愛など必要ない。

ただいま。という声もなく静かに誰かが

家の中に入ってきた。

母が帰ってきたのだ。


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