桜雪
私は重い身体をベットから起こし1回の

リビングへと向かう。


「お母さんおかえりなさい。」


「あら。ユナいたの。ご飯は?」


「食べた。」


「そぉ。なら良かった。」


本当は食べていなかったけど

夕飯を食べる気分でもなかった。

仕事場の服から少し派手な服に着替え始めた母。

「どこかに行くの?」


「えぇ。ちょっと今日この前のプログラムの打ち上げで。」


「そぉなんだ。」


「お父さんも今夜は帰ってくるかわからないから戸締りちゃんとしてね。」


「うん、わかってる。」


「じゃ。いくわね。」


「いってらっしゃい。」

おともなく閉められた玄関のドアの前で

私は1人立ちすくんだ。
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