SPIRAL



教室に入ると
まだ先生は来ていないらしく、皆はそれぞれ好きなことをしていた。

友達と喋っていたり
PSP(持ってきていいのだろうか?)をやっていたり
読書してたり…

(これが三組かぁ…)
私は改めて実感した。

私も何かやろうかな、と
バックの中をごそごそあさっていると
隣から声がした。

「飯島さーん。俺の相手してよー」

隣を見ると
机に俯せそのままぼそぼそ話す早川がいた。

「はっ?」

「俺の周り、静かなんだもーん」

早川が指差しながら言った。
それにつられて私も周りを見ると、
南以外は読書をしているか、寝ていた。

南はというと、
大きい声で周りの子たちと喋っていた。

「後ろって授業中はいいんだけどさっ」

首をがっくり落として言った。

「だよねー…。結構影薄いよね、私は影薄くていいけど…」

「へ?もう飯島さん有名人だよ」

笑いながら早川が言った。






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