マスカラぱんだ


碧の家の最寄り駅で、待ち合わせをした。

そこはいつも私が利用している、駅のひとつ隣。

でも、この駅に降り立つのは今日が初めて。

だって、高級住宅地で有名なこの駅に、用事なんかなかったから。

私の目に飛び込んで来るのは、いわゆる豪邸と呼ばれる家の数々。

その豪邸の中の並木道を、スタスタと歩く碧について行く。

駅から徒歩10分。

碧は何てことない顔で、ある豪邸を指さしながらサラリと言葉を発する。


「ここ。俺のうち。」と。


ここって・・・。ええ?


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