マスカラぱんだ


**葵**


久しぶりの運転で、しかも初めて隣に君を乗せる。

それでだけでも緊張しているのに『カッコいい』とか『好き』とか言われて、頭の中はゴチャゴチャだ。

とにかく僕は、事故らないように慎重に運転することを心掛ける。

今まで1ヶ月も君に会えなかったのは、仕事の引き継ぎが忙しくて休みが取れなかったから。

でもそれも昨日でほとんど終わり、やっと今日は午後から半休を取れた。

休みが取れたら、君に一番に会いに行くと決めていた。

僕が決めた未来を、君に聞いてもらうために。


「紫乃ちゃん?食事の前に公園に行かない?そこからは夕日が綺麗に見えるんだ。今から行けばまだ間に合うと思うから。」


今日は朝から雲がなく、いい天気だった。

昔、家族で行ったあの公園から見た夕日は、今でも僕の胸の中で色褪せることはない。

だからあの綺麗な夕日を、今度は君と一緒に見たいと思った。


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