マスカラぱんだ


とりあえず進学を決めた君に、僕がしてあげられることは、勉強をみてあげることくらいだ。

だから最近のデートは、ふたりで机に向かって問題を解く日々。

そんな君に、少し息抜きをさせてあげたいと思った僕は、公園に誘った。

君の家から、歩いて20分ほどの距離にある公園は、見晴らしのいい丘の上にある。

芝生広場に腰を下ろしながら、気持ちのいい青空の元で、のんびりと君と過ごす時間が、僕の心を和ませてくれる。

まるで爺さんみたいだと感じても、隣で微笑む君を見ているだけで、幸せな気持ちに包まれてしまうから“まあ、いいか?”と、思ってしまう。



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