マスカラぱんだ


どこまでも正反対なふたりに吹き出してしまいそうになる思いを必死に堪え、聞きたいことを思い切って口にする。


「あの。葵先生は、今日はお休みですか?」

「いいや。葵先生にお休みはあってないもんだよ。救命救急担当だからね。休んでいてもすぐに呼び出しが掛かるくらい忙しい先生だから。」


救命救急?担当?

次々に判明する先生の正体にドキドキと胸が高鳴る。

じゃあ、私が救急車で運ばれて来なければ、先生に手術してもらえなかったってこと?

もしかして。これって、運命?!なのかも!

そんなことを思ってしまった私の胸は、さらに大きな鼓動を鳴らした。


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