マスカラぱんだ


「ちょっと紫乃!何でこんなにすごい個室に移動してんの?!」


優衣が驚くのも無理ないよね。私だって訳がわからないのだから。


「なんだか先生の指示みたい。私もよくわかんない。」

「先生って?」

「碧のお兄さん。山中葵先生。」

「はぁ?」


優衣は応接セットのソファに座り、私に持って来てくれたはずのプリンを、スプーンから落としそうになったまま驚いていた。

そりゃそうだよね。

私だって昨日の夜、病室に姿を現した先生を見て、すごく驚いたし。


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