マスカラぱんだ
「先生!何で?」
「いやぁ。福田さんの様子を見に来たつもりが寝ちゃったみたいだ。今、呼び出されたからすぐに戻らないと。本当にごめんね。また明日来るから。おやすみ。」
先生はベッドの横に立ち、頭を掻きながら私に謝ると、あっという間にドアを開けて出て行ってしまった。
しんと静まり返った特別室に取り残された私は、自問自答を繰り返す。
今、確かに先生がいたよね?夢じゃないよね?
突然の出来事を理解するまで数秒。
夢じゃない!!
確かに先生は私の様子を見にこの特別室に来てくれた!
嬉しい・・・。
思いがけず先生に会えた私は、喜びに胸が高鳴った。