想い出の宝箱




ずっと公園を
見ていた翔太は


私の方を向き
真剣な顔で言った



「今まで、
つらい思いさせてごめん」



つらい思いってのが
何を指しているのか


すぐに分かった


「俺のせいだよな・・・


あのときみたいに
彩が笑わなくなって

本当は心配でしょうがなかった」



「え・・」


心配されてるって
言われてすごい嬉しかった


翔太の眼中には
まどかさんしかいないと
思ってたから



「それでも、
俺はまどかとの
関係を断つことができなかった



だけど、
俺は昔から彩一筋なんだよ」



「ホントに・・・?」


なんで別れなかったのか
気になったけど

聞いてはいけない気がしたし


なにより一筋って言われて
舞い上がっている自分がいた




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