死神彼氏と五日間
「振れ。お前には俺がいるだろ?」
首筋から聞こえる甘い大人の声に驚きながらも、ユキトに悟られないように真奈は平然を保った。
「………」
「なあ…、真奈?」
ソウシが腕を真奈の腰にまわした。
―――――…っ!ソウシさんっ!
傍からみれば、この状況は目の前にいるユキトに顔を赤くしているように見える。
しかし、真奈の視線は彼女の首筋あたりをちらちらしており、そこには死神のソウシがいた。
ユキトは一瞬眉を寄せた。
「真奈さん、俺を見て?」
ユキトが綺麗な両手をそっと肩にあてた瞬間に、今まであったソウシの気配が消えた。
―――――…え?
真奈も後ろを確認するように見たが、やはりソウシの姿はなかった。
―――――…どこに?
思案に明け暮れているともう一度、真奈さん、と言う声が聞こえてきた。
「まだ答えが出せないならそれでいい…。でも、これだけは覚えておいて?」