死神彼氏と五日間
真奈の額に口づけを落とし、まっすぐに見つめた。
「俺は、真奈さんと幸せになりたいんだ…」
悔しそうに、でもどことなく勝ち誇ったような表情を見せて、ユキトは真奈から離れていった。
柔らかい温かなものが触れた額を片手でおさえ、その彼の後ろ姿をぼんやり眺めていると自分の名を叫ぶ声が後ろから聞こえた。
顔に軽く汗を滲ませたソウシだった。
「あのやろー……」
「ど、どこ行ってたんですか?!」
息を切らし、ユキトの姿が見えなくなったキャンパスを睨むソウシに尋ねた。
「アメリカだ…」
「アメリカっ?!」
「……俺をあいつがアメリカまで飛ばしたんだ」
ユキト以上に見える悔しさの雰囲気が真奈を困らせた。
「ユキトさん、ソウシさんが見えるんですか?」
「みたいだな。しかも、俺に宣戦布告してきやがった…!」
そう言って、真奈のおさえられている額に目を向けた。
「??」
十分すぎるほどのはてなマークを頭に浮かべていた真奈に小さくため息をつきながら、それを指差した。
「それ…、額に口づけたのが宣戦布告だよ」